
【Q&A保存版】美容学生のアルバイト、「シャンプー」は違法?無資格の業務範囲と、サロンが守るべき「コンプライアンス」の境界線

「将来のために、学生のうちから現場で技術を覚えたい!」
そんな意欲的な美容学生にとって、美容室でのアルバイトは非常に魅力的です。
一方で、サロンオーナー様にとっても、人手不足の現場において「やる気のある学生」は喉から手が出るほど欲しい戦力であり、未来の仲間候補でもあります。
しかし、現場の熱意だけで進めてしまうと、思わぬ「法律(美容師法)」の落とし穴にはまってしまうことがあります。
実際に「先輩が教えてくれたから」「テストに受かったから」という理由で学生が施術に入り、万が一のトラブルに発展するケースもゼロではありません。
この記事では、学生にとっては「安心して働くための知識」として、オーナーにとっては「経営とスタッフを守るリスク管理」として、無資格者の業務範囲を徹底解説します。
「練習すればOK」ではない?法律の壁

まず、大前提となるルールを確認しましょう。
美容師免許を持っていない方が、お客様の容姿に触れる行為(シャンプー、カラー塗布、ドライヤー等)を行うことは、美容師法で制限されています。
美容師法 第六条(無免許営業の禁止)
美容師でなければ、美容を業として行ってはならない。
かつては「インターン制度」がありましたが、現在は廃止されています。
そのため、たとえサロン内での教育カリキュラムが進んでいたとしても、「免許未取得=お客様への施術は不可」というのが現在の法解釈です。
これは「意地悪なルール」ではなく、「まだ免許を持たない学生が、万が一お客様にケガをさせてしまった場合、その責任を負いきれないから(学生を守るため)」に存在しています。
【チェック表】美容学生ができる業務・できない業務

具体的に、どの業務ならアルバイト(無資格)でも可能なのか。
法的なポイントは「美容行為(容姿を変える行為)か、準備・介助か」の違いです。
スクロールできます
| 業務内容 | 判定 | 理由・リスク管理上の根拠 |
| 受付・電話対応 | ◯ 可能 | 美容行為(施術)には該当しません。接客の基礎を学ぶのに最適です。 |
| 掃除・片付け | ◯ 可能 | 衛生管理・環境整備などの「補助業務」です。 |
| 準備(クロス等) | ◯ 可能 | 衣服の保護などの「準備・介助」であり、容姿を変える施術には含まれません。※ただし、お客様の身体に触れるため丁寧な対応が必須です。 |
| シャンプー | × 不可 | 「洗髪」は美容師法上の「美容行為」です。無資格施術による事故は、サロン保険が適用外になるリスクがあります。 |
| カラー塗布 | × 不可 | 薬剤選定・塗布は免許必須の技術です。「塗るだけ」等の例外はなく、アレルギー事故等の責任が問われます。 |
| ドライヤー | × 不可 | 「仕上げ(セット)」の一部とみなされます。熱による火傷リスクがあるため、無資格者は行えません。 |
| マッサージ | × 不可 | 無資格でのマッサージは、美容師法および「あはき法」に抵触する恐れがあります。 |
※本判定は2026年時点の一般的な法解釈に基づきます。最終判断は管轄の保健所にご確認ください。
【Q&A】現場のリアルな疑問を解決

ここからは、教科書には載っていない「現場のグレーゾーン」について、法的な観点とリスク管理の観点から深掘りします。
コンプライアンスが「サロンの質」を決める

「保健所が来るわけじゃないし、大丈夫でしょ」
そう思われる方もいるかもしれません。
しかし、コンプライアンスを重視すべき理由は別にあります。
学生・スタッフを守るための「保険」

サロンは通常、賠償責任保険(お客様に損害を与えた時の保険)に加入しています。
しかし、多くの保険契約において「無資格者が違法に行った施術による事故」は、免責(保険金が下りない)となるケースが一般的です。
もし事故が起きた際、保険が使えないとなれば、サロン経営に多大なダメージを与えるだけでなく、施術をした学生本人も当事者として巻き込まれてしまう恐れがあります。
「信頼」という採用ブランディング

今の学生は、SNS等を通じて法律や労働環境についてよく勉強しています。
面接等の段階で「うちは法令を遵守しているから、免許を取るまでは施術させない。その代わり、練習環境は整えているよ」と伝えられるサロンは、「スタッフを大切にするホワイトなサロン」として信頼されます。
まとめ:正しい知識が、良いサロンワークを作る

学生の皆様は「早く技術に入りたい」という焦りはあるかもしれませんが、免許を取るまでは「サポート役」として現場を観察して、自分が働き戦力になることをイメージしてください。法律を守ることは、あなた自身のキャリアを守ることでもあります。
サロンスタッフは人手不足の昨今、学生の力を借りたい場面は多々あるかと思います。しかし、コンプライアンスを遵守する姿勢こそが、結果としてスタッフからの信頼を得て、長く働いてくれる組織作りにつながります。

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