
【2026年版|美容師の確定申告】経費はどこまで?勘定科目リストと「面倒」から解放される方法

成人式が終わり、ホッとしたのも束の間。
美容師にとって、1年で最も憂鬱な季節がやってきました。
そう、「確定申告」です。
「サロンの棚に押し込んだままの領収書、どうしよう…」
「インボイス制度が始まってから初めての申告、何が変わったの?」
「税金、いくら来るんだろう…怖い…」
そんな不安を抱えているフリーランス美容師(業務委託・面貸し)の方へ。
この記事では、税理士や会計ソフトのサイトには載っていない「美容師ならではの経費の境界線」と、面倒な申告作業を最短で終わらせる手順を解説します。
そして記事の後半では、「そもそも確定申告をしなくていい働き方」についても本音でお話しします。
そもそも美容師で「確定申告が必要な人」は?

まずは、自分が申告対象かどうかを確認しましょう。
ここでのポイントは、「売上(お客様から頂いたお金)」ではなく、「所得(売上から経費を引いた儲け)」で判断するということです。
1. フリーランス(業務委託・面貸し)

1年間の「所得」が48万円を超える人。
※専業でやっている場合、基礎控除(48万円)を超えるケースが大半ですので、ほぼ全員が必要と考えてください。
2. 副業美容師

会社員として働きながら、週末だけ他のサロンでバイトや面貸しをしている場合。
その副業による「所得」が年間20万円を超える人。
3. 正社員美容師でも必要なケース

基本的には会社が「年末調整」をしてくれますが、以下の場合は自分で確定申告が必要です(または、した方がお得です)。
- 年収が2,000万円を超える人(オーナー兼プレイヤーなど)
- 医療費控除を受けたい人(年間10万円以上の医療費がかかった場合、申告すると税金が戻ってきます)
- ふるさと納税を6自治体以上に行った人
【保存版】美容師の経費、これは落ちる?落ちない?○×リスト

ここが一番気になるところです。
「少しでも経費を増やして税金を減らしたい!」というのが本音ですよね。
現場のリアルな声をもとに、勘定科目とOK/NGラインを表にまとめました。
スクロールできます
| 項目 | 経費になる? | 勘定科目 | 解説・注意点 |
| シザー・コーム代 | ◯ | 消耗品費 | 10万円以上の高額なシザーは「減価償却」が必要な場合も。 |
| 自分の美容室代 | △〜✖️ | – | 基本はNG。ただし「勉強のため」「撮影モデル」としての明確な理由があれば一部認められる可能性も(税理士により見解が分かれる)。 |
| 洋服・衣装代 | △ | 消耗品費 | サロンワーク用の私服は×。「撮影専用」で私用不可なものは◯。 |
| スタバ・カフェ代 | △ | 会議費 | 1人で休憩しただけなら✖️。打ち合わせや、作業をしていたなら◯。 |
| アシスタントへの奢り | ◯ | 接待交際費 | 業務上のコミュニケーションとして認められやすい。 |
| オンラインサロン会費 | ◯ | 諸会費 | 技術向上のためのものであればOK。 |
| モデルのギャラ | ◯ | 広告宣伝費 | 領収書が出ない場合でも「出金伝票」を残せばOK。 |
| スマホ代 | 一部◯ | 通信費 | プライベートと兼用なら「家事按分(あんぶん)」で3〜5割を経費にするのが一般的。 |
2026年現在の「インボイス制度」美容師への影響は?

2023年10月から始まったインボイス制度。2026年の確定申告でも引き続き重要なポイントです。
1. まだインボイス登録していない人(免税事業者)

サロン側から「インボイス登録してほしい」と言われていなければ、そのままでも大丈夫です。
ただし、サロン側があなたの分の消費税を負担している状態なので、将来的に「消費税分だけ報酬を下げたい」と交渉されるリスクはあります。
2. インボイス登録した人(課税事業者)

受け取った報酬に含まれる消費税を、国に納めなければなりません。
ただし、2026年中の申告分までは「2割特例」という負担軽減措置が使えるケースが多いです(※基準期間の売上が1000万円以下など要件あり)。
計算が複雑になりますので、必ず「インボイス対応の会計ソフト」を使って申告しましょう。手計算は現実的ではありません。
確定申告を「3日で終わらせる」5ステップ手順

「もう見たくもない!」という領収書の山を、以下の手順で片付けましょう。今からなら間に合います。
STEP
領収書の「ざっくり仕分け」
月別でなくてもOKです。「消耗品費(材料・道具)」「交通費」「交際費」など、勘定科目ごとにクリアファイルや封筒に放り込みましょう。これだけで気持ちが楽になります。
STEP
会計ソフトへの入力(ここが山場)
freeeや弥生会計などのクラウドソフトを使います。最近は「スマホでレシートを撮影するだけで自動入力」される機能が優秀です。ひたすら撮影しましょう。
STEP
控除証明書の確認(節税の鍵!)
これが一番大事です。
- 国民年金の控除証明書(ハガキ)
- 国民健康保険の支払い額(通帳で確認)
- 生命保険料の控除証明書
- ふるさと納税の寄付金受領証明書
これらを入力すると、驚くほど税金が安くなります。絶対に忘れないでください。
STEP
決算書の作成
ソフトが自動で計算してくれます。エラーが出ていないか確認しましょう。
ソフトに入力する際、「源泉徴収税額」の入力欄で迷ったら、支払調書や請求書の控えを確認しましょう。 ※「そもそも源泉徴収の計算方法が合っているか不安」「請求書への正しい書き方を知りたい」という方は、以下の記事で復習しておくと安心です。
▶美容師の源泉徴収計算方法と請求書の書き方


美容師の源泉徴収とは?請求書作成時に知っておくべきポイントと計算方法
美容師やフリーランスが知っておくべき源泉徴収の基本情報を解説。請求書に源泉徴収額を記載するメリットや、計算方法、インボイス制度の影響など、正確な納税手続きのため…
STEP
e-Taxで自宅から送信
マイナンバーカードと、対応したスマホがあれば、税務署に行く必要はありません。24時間いつでも送信できます。
よくある質問(FAQ)

美容師の確定申告について、よく寄せられる疑問にお答えします。
正直「めんどくさい」「税金が怖い」と思ったあなたへ

ここまで読んで、「やっぱり無理…」「こんな面倒なこと、毎年やるの?」「タイパが合わない」と心が折れかけた方もいるかもしれません。
フリーランスは「自由」と引き換えに、以下のような「見えないコスト」を背負っています。
- 税理士費用: 丸投げすれば年10〜30万円かかります。
- 自分の時間: 領収書整理に使う数十時間。時給換算したらいくらですか?
- 翌年の恐怖: 確定申告の数ヶ月後にやってくる、高額な「住民税」と「国民健康保険料」の通知書を見て青ざめるリスク。
「正社員に戻る」という選択肢

もしあなたが「施術だけに集中したい」「事務作業は大嫌い」というタイプなら、「正社員に戻る」ことが、結果的に最も精神的・経済的に豊かになるかもしれません。
正社員なら、この面倒な作業はすべて会社がやってくれます(年末調整)。
しかも、会社が税金の半分を負担してくれたり、払いすぎた税金が戻ってくる「還付金」の楽しみさえあります。
確定申告は、「来年もこの働き方を続けるか?」を自分に問いかける最高のタイミングです。
税理士に丸投げ

「いや、この時間無駄じゃん」「確定申告に時間使うならその時間で売上げて税理士に外注したほうが良い」というタイパ重視のあなたは、税理士にお金を払って丸投げするというのも賢い選択です。
税理士によって業務内容や対応範囲、費用は様々ですが、個人事業主は法人に比べて数万円程度安く対応してくれるケースが多いです。
まとめ:領収書と向き合うことは、自分の未来と向き合うこと

まずは深呼吸して、目の前の領収書を一枚ずつ処理していきましょう。期限(例年3月15日)を過ぎるとペナルティ(無申告加算税など)が発生しますので、一日も早い着手が吉です。
そして無事に申告が終わったら、一度ゆっくり考えてみてください。
「この手間と税金のストレスは、フリーランスの収入に見合っているだろうか?」
もし「NO」だと感じたら、salon.で新しい働き方を探してみませんか?
面倒な確定申告から解放され、安心してハサミを握れる環境も悪くないのではないでしょうか。
※税務判断は個別の状況によるため、最終的な判断は税理士または税務署にご確認ください。

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